こんばんは、しののめです。Deskmini A300をデザイン用途で使ってみた記録の続きです。続きなんですが、前回の記事は見なくても全く問題ありません。興味がありましたら以下よりどうぞ!
こちらの記事は組み立て当初に書いたものです。記事内で起きているエラー問題は5月15日時点で解消されていることを確認しています。
今回やることとDeskminiの概要

Deskmini A300は超小型デスクトップPCが比較的簡単に自作できるキットです。大きさは上の画像の通り!デスクトップPCとしてはかなりコンパクトです。
もちろん性能もコンパクト…なんてことはなく、4コア8スレッド、GT1030程度の内蔵グラフィックを持つらしいRyzen 5 2400Gを搭載可能! この小ささで普通のデスクトップPC並みのパフォーマンスを期待できてしまうのです。
しかしながら、実際何に使うのか?という問題があります。ビデオカードはつかないのでがっつりゲーム用途には使えない、ただネットや動画を見るだけならタブレットやスマホでいい…どうせならコンパクトさを活かした使い方をしたいですよね。 そこで私が考えたのがデザイン用途です。特に私は机の上に色々広げて作業するので、仕事用に最適のはず!
ということで、検証してみました。前回はパーツについて語るだけで終わったので、今回こそは実際にAdobe Photoshopを動かしてみますよ~!
まずは基本性能!
検証に入る前に、ベンチマークソフトを使い基本性能を見ていきます。Ryzen 5 2400Gのデータはたくさんありますが、本体が小さい故に冷却等色々気になりますよね? ちゃんと本領を発揮できるのか確認してみましょう。
使ったのはベンチマークソフトの定番、MAXSON社のCINEBENCH R15です。つい最近新バージョンが公開されましたが、今回は比較データの多さと安定を取って旧バージョンを使用しました。

- OpenGL 57.20fps
- CPU(マルチコア) 804cb
- CPU(シングルコア) 145cb
というスコアでした。他の方が上げているスコアと比較しても、メモリ速度を考えると妥当な数字ですね。
ちなみに、私がこのDeskminiと引き換えに解体した旧サブ機(Core i5-7400)のスコアがこちら。

こうしてみるとRyzen5 2400G強すぎですね。インテルCPUも第8世代から大幅性能アップしたんですが…。
Photoshopを動かしてみた
関係ない話はそのくらいにして、まずは起動時間を計測しました。Photoshopの起動時間は環境によって大きく変わります。私の経験上起動時間を長くする要因は「ライブラリの重さ」、「ストレージ」、「CPU性能」の3つです。
ライブラリは言うまでもないですね。ブラシとかテクスチャとかスタイルとか大量に入れてる方だとめちゃくちゃ長いです。次にストレージですが、これも言うまでもなくHDDとSSDでかなりの違いが出ます。だけどNVMeのM.2と普通のSATASSDではほぼ違いを感じません(※私の環境の場合)。M.2は高い上に熱問題もあるので、今回検証に使ったDeskminiにはSATASSDを採用しています。
そしてCPU性能。これは前の2つに比べるとそんなに影響しない気がしますよね。現在私はノートPCをメインマシンとして使っています。このノートPC、バッテリー駆動時と電源接続時でPhotoshopの起動時間が8秒近くも変わるんですよ。 なぜかと言うと理由は単純で、

バッテリー稼働中は定格(2.20GHz)動作になるからなんですね。まぁこれはノート用のコア数多めCPU特有の問題かもしれませんが、無関係ということはないはず!
前置きが長くなりました。本題のDeskminiA300+Ryzen 5 2400Gの起動時間はどうなのか! 動画を撮影したのでご覧ください。
結果は5.40秒。予想よりかなり速い! バッテリー駆動時のメイン機と比べると雲泥の差です。 仕事で頻繁にPhotoshopを立ち上げる方でも大丈夫そうです。
必要システム構成の再確認
かつてAdobe Photoshopといえば激重ソフトでした。しかしPCの性能がよくなりソフトも軽量化を重ねた結果、昔のような重いソフトではなくなりました。
2019年3月現在の必要システム構成(Windows)は
CPU:64 ビットをサポートしている Intel® または AMD プロセッサー(2 GHz 以上のプロセッサー)
OS: Microsoft 7 Service Pack 1 日本語版(64 ビット版)*、Windows 10 日本語版(バージョン 1709 以降)
メモリ:2 GB 以上の RAM(8 GB を推奨)
ハードディスク容量:3.1 GB 以上の空き容量のあるハードディスク(64 ビットのインストールの場合)
Photoshop CC の必要システム構成 より
とのこと。これを見てわかるとおり要求スペックは高くないです。画像を編集するだけならメーカー製のビジネスPCでもできてしまいますね。
しかしデザインの仕事で使うとなると話は別。スタイル盛り盛りのレイヤー数百枚を快適に扱うにはある程度のスペックは必須です。
グラフィックプロセッサー を使う処理を実行! …が?
まずはGPUを使う系の処理を試してみました。 Ryzen 5 2400GはNVIDIAのGeForce GT1030に相当するといわれるRadeon RX Vega 11グラフィックスを搭載しています。やっぱりどんなものか気になりますよね。
……が! ここで問題発生!

使えない……? いやいやまさかそんなはずは。もしかすると、ドライバが最新ではないのかもしれません。Adobeさんのトラブルシューティングを見てもドライバを更新しろとあるので、ひとまず落ち着いてAMDさんのサイトから最新のドライバをDLしてきました。
>ドライバは最新です(無慈悲)
ドライバを消して入れ直したりもしたんですが、残念ながら改善しませんでした。なんてこったい。とはいえ処理の高速化ができないだけでフィルター自体は普通に使えるんですよね。

ただし例外もあって、油彩だけは動作しませんでした。

同じレンダリング系処理であるはずの3D、炎、ピクチャフレーム、木は問題なく動きます。

一体何が違うというのか……。3Dや炎などは対応したGPUがないとそもそも動作しないので、認識はされているはずなんですが。うーん謎です。
調べてみると、 AMDはCPUもビデオカードもAdobeソフトとの相性があまりよくないそうで。OS、ソフトともに同じ状態のメインマシン(インテルCPU+GeForce)は正常に動いているところを見るとやはりドライバの相性問題なのでしょうか?
今度こそ検証!
動かないものはしょうがないので、動くもので検証を続けましょう。今回はストップウォッチを使用して、フィルター「炎」と3Dのレンダリング時間を測定しました。
最初は炎…なんですが、すみません! レンダリング設定のスクリーンショットを誤って消してしまいました。下の画像は記憶を頼りに再設定したもので正確ではありません。


できあがったものはこちらで、レンダリング時間は大体25.45秒でした。
次は3Dです。私はPhotoshopの3D機能大好きなんですがなぜかあまり使ってる方いないですよね。デフォルトだと時間がかかるのでレイトレーシングの値を調整して、テンプレそのままのマテリアルを設定して実行!



できあがったものがこちらです。うーん設定下げてるから粗いですね。レンダリング時間は2分31.27秒でした。
まとめ
動作は快適。しかし一部機能で本気が出せないという、ちょっぴり悲しい結果に終わりました。おそらくはハードではなくドライバ側の問題なので、今後のアップデートで改善することに期待ですね。
それ以外の部分ではとてもさくさく動作していました。レイヤー数百枚の激重PSDを読み込んでもレイヤースタイル盛り盛りでもテキスト大量でも大丈夫です。旧サブ機はレイヤースタイルが増えてくると重く感じるときがあったんですが、今回試した限りでは一度もなかったです。快適でした。
以上のことから、あまりフィルターを使わないのであれば十分使える!というのが私の結論です。なによりマルチディスプレイ環境で資料広げても板タブおいても邪魔にならないコンパクトさは、ドライバ相性問題を差し引いても十分すぎる利点だと思います!
そろそろ7のサポート終了が近づいてきました。10に乗り換えを検討している机を広々と使いたい系クリエイターの方々、Deskminiおすすめですよ~!